【小説】ミリオネア清掃員下村龍之介 ④


〜 この小説を入院するママ子姉に捧ぐ 〜

第4話 傘張り浪人

オレの名は下村龍之介。

人呼んでミリオネア清掃員だ。

今日はオイラの子供の頃の話をしよう。

オイラは母親の顔を知らないんだ。

なぜなら、オイラを産んで直ぐにどこかにいなくなってしまったんだ。

オイラは赤ちゃんの頃、父親に育てられたんだけど、育てられたというより放ったらかしだな。ww

オイラのオヤジはコウモリ傘の修繕を仕事にしてた、ちっとも儲からない仕事だ。

雨が降っても客は来ない。晴れても客が来ない仕事で、なんでオヤジがこの仕事を選んだのか、今考えてもさっぱりわからない。

昭和40年代は高度経済成長の時代だから何をやっても儲かったと思うんだけど、よりによって一番儲からない仕事を選んだ事になると思うんだ。

おふくろが逃げ出すのも無理はない。ww

だから、オヤジはいつも金が無くてあっちこっちに借金をしてた。

オヤジはオイラが10歳の時に突然亡くなったんだ。

ダムに落ちて事故死という事だったけど、オイラはそれは違うと思ってるんだ。

オヤジは殺されたんだ。

その話は後回にして、それからオイラは親戚筋にあたるというある男に育てられる事になる。

その男の名は池畑慎之介、職業は博打打ちだ。

体重は100キロ、頭はツルツルのスキンヘッドで、背中に水滸伝に出てくる花和尚魯智深の刺青をしてた。ww

博打打ちと言っても、その辺にあるパチンコや競馬とかではなくアズキと呼ばれる特殊なモノだった。

アズキ?そう、あのアンコの材料のアズキの事だ。

池畑はアズキの先物取引、つまりアズキ相場をやっていたんだ。

その界隈では、有名人でアズキ四天王と呼ばれていたらしい。

当時、オイラは小さくてわからなかったけど、アズキってのは『赤いダイヤ」とか「赤い魔物」とか言われてて、アズキ相場に手を出して死んだ人は山ほどいたそうなんだ。

そして、実はこの池畑慎之介こそがオイラの父親を殺した犯人なんだ。

つづく・・はず

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