【小説】ミリオネア清掃員下村龍之介 ⑦


〜 この小説を手術を受けるママ子姉に捧げる 〜

第七話 なぜオニを描く?

オレの名は下村龍之介

あのミリオネア清掃員だ。

オレは養護学校時代の友達が画家になってる事を知った。

オレの職場の空港で個展が開かれる事になった。

そして、本をを出していたので、買って読んでみた。

本のタイトルは『もう泣かない』だった。

帯にはこう描かれていた。

『生後すぐに母に捨てられ、

ヤクザだった父は刑務所に、

児童養護施設を脱走後、16歳で最初の出産。

33歳の時に孫ができておばあちゃんに

生きるのに精一杯だったどん底の人生で

見つけた人間の本当の幸せとは?』

オイラは最初の表紙に書いてあるこの言葉に感動して泣いてしまった。

梅子は夢をかなえたんだ。ww

いつも「幸せな家庭を持つ事が夢」だと言ってた梅子・・

オイラは独身だが、もうおばあちゃんなんだ・・

何人孫がいるのかな?ワクワクしながら本のページをめくってみた。

しかし、喜んでいるのも束の間、本を読み進んでいくと強烈に辛い人生の連続だった事がわかった。

梅子は辛い事があるといつも母を呪った。

「なんで私を捨てたんだ・・母さえいてくれたら・・」

そんな事ばかりを考えて生きてきた梅子だった。

梅子は自分の心の叫びを筆ぺんで大学ノートに描くようになった。

そして、何故か横に鬼の絵を描いた。

大学ノートの表紙には『ヘチマノート』という題がついていた。

梅子の心の叫びノートはどんどん増えていった。

筆まめだった梅子は友達や職場の上司に和紙でできた葉書に筆ペンで絵を描いて送るのが好きだった。

ある時、梅子の絵葉書を人ずてで見た豆腐屋の社長が梅子を訪ねてきた。

来年のうちのカレンダーをあなたの絵で作りたいという注文だった。

梅子は喜んだ・・私の絵が売れるのか?

二つ返事で引き受けた梅子は早速カレンダー作りを始めた。

しかし、なかなか良い絵が描けなかった。

何か良いアイデアはないか?と悩んでいた時に自分が日々つけていた心の叫びノートの事を思い出した。

よし!鬼の絵を描こう・・

梅子は心の叫びノートを参考に鬼の絵を描きそこに筆で自分の心の叫びを描いて納品した。

カレンダーは100部作成された。

彼女がカレンダーに書いた言葉はこのようなものだった。

自分に負けんなよ!、今 出来ることから・・、正直がいい、人生一度きり、ありがとう、

こうやって書いてみるとどこにでもある言葉のように思うが、鬼の絵があるとこれらの言葉に魂が入ったかのように輝き始めた・・

この時、梅子は自分の作ったカレンダーが業界内で話題になっていた事など全く知らなかった・・

※著者より・・上記の話には実は「しの武さん」という実在のモデルがいます。

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つづく・・はず

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