【小説】ミリオネア清掃員下村龍之介 ⑧


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第八話 サイン会

オレの名は下村龍之介。

相変わらずのミリオネア清掃員だ。

オレは養護施設で育った。

その時の仲間が絵描きになっていた。

その仲間に会いに行くのだ。

2017年1月1日正月である。

オイラは梅子に会うために自分が働く空港に向かった。

背広を着て行こうか?とも思ったが、カッコつけてもしょうがないのでGパンにパーカーといういつものカッコで行った。

オイラは彼女が描いた本を持ってサインしてもらおうと思っていた。

空港に着いた。

すでに長蛇の列ができていた。

オイラは列の最後尾に並んでまだ読んでいない最後の章を読み始めた。

豆腐屋が梅子に発注したカレンダーは評判が良かったようで口コミで広がり彼女には注文がポツポツと舞い込み始めた・・

梅子はスーパーマーケットのパートの仕事を辞め画家としてスタートを切った。

そして、彼女は勝負のオリジナルカレンダーを作成した。

非常に大きい作品で3000円という素人に毛の生えたような人が作ったカレンダーとしては破格の高値だったが、飛ぶように売れた。

彼女は地元で有名人となった。

彼女の特集番組で自分の足跡を辿るみたいなTV番組の撮影が始まった。

彼女の故郷は養護施設なので、そこからスタートだった。

『新へちま学園』・・あの頃と全く同じ風景だった。

梅子は恐る恐る校舎内へ入って先生達に挨拶した。

龍之介と一緒に脱走した身分なので、何だかすごく恥ずかしかった。

先生が「あなたが財津さんですね?実はお渡ししたいものがあったんです。つい最近出てきたんです。」と言ってあるものを差し出した。

母子手帳だった。

そんなものがあるとは思わなかったのでびっくりして言葉を失った。

TVクルーは「梅子さん!早く中を見て!」と言った。

そうだ、番組撮影中だったのだ。

私は開けるのに手が震えた・・まさか。そんな物があるなんて・・

そこには妊娠中の検査結果が細かく記されていた。

しかし、梅子が生まれる4ヶ月前から全く何も書かれていなかった。

生まれた日時も体重も何も書いてなかった。

・・この頃、母に何があったんだろう?次が気になった・・

そして次のページをめくった瞬間にある言葉が目に飛び込んできた。

『おっぱい良好でした。』

その言葉を見た瞬間に梅子は泣き崩れてしまった。

この所を読んで自分も泣いていたら順番がオイラの番に来ていた。

梅子はオイラの顔も見ずにこう言った「サインにお名前を書きますのであなたのお名前を教えてください。」

「はい、下村龍之介と言います。」

その瞬間、彼女の筆ペンはピタッと止まった。

つづく・・はず

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