【小説】ミリオネア清掃員下村龍之介 15


第十五話 カネ

オレの名は下村龍之介。

ミリオネアを達成した清掃員だ。ww

ヒョンな事から就職面接を受ける事になった。

しかし、面接は1日延期で全員に50万円が配られた。

オイラはこの金の使い道が就職試験じゃないか?と思ったんだ・・

翌日はすぐに来た。

7時に全員集まっていた。

目の前には雑賀正義、株の世界では知らない者はいない、若い頃は兜町の風雲児と言われた伝説の相場師が座っていた。

「皆さん、ご苦労様、私が雑賀だ。朝早くからお越しいただいて申し訳ないね。早速始めよう。」

真っ白な白髪に真っ白いヒゲ、歳の頃は70歳ぐらいだと思われるが眼光だけは鷹のようにするどかった。

「ところで諸君は昨日差し上げたお金をどのように使ったかな?右端の君から答えてください。」

右端は龍之介だった。

「あの50万円はすぐに銀行に預金しました。今後あの金で株についての本を買って勉強していくつもりです。」

龍之介は一晩考えに考え抜いた答えを間違えずに答えた。

雑賀は「真面目だな!」と呟いた。

「次の君」

「私も銀行に入れました。あのお金は親の借金の返済に当てたいと思います。」

「次」

「私が相場師になりたいのはお金持ちになりたいからです。だから、そのための予行演習として昨日は銀座の高級クラブで飲みました。全部使い切る事はできませんでした。」

などとそれぞれなんとなくそれらしく答えていった。

「じゃ、最後は左端の一番若い君だな。」

一番左端に座っていたのは例の女子高生だった。

「私は使ってません。50万は大金ですが、勝負するには小さな額です。私は本当の勝負をする時までムダな金は使いたくありません。なので、この50万はお返しします。」

そう言って、紙袋を雑賀に渡した。

男4人はその姿に釘付けになった。

「ふむ、金に執着心が無いのはよほどの金持ちか、よほどの貧乏人か、どちらかだ・・そして、それは大相場師にも言える事だ、相場で大儲けして大金持ちになるか、それとも失敗して無一文になり、借金取りに追い回されるか・・」

君の名前は何という・・

「はい。坂本イユです。」

「坂本君、君はさっき50万円と言わずに、50万と言ったね。なぜだ?」

「それは・・お金というのは結局、単なる数字でしかないと思うからです。円を付けるという事はお金をあがめているからだと思うんです。お金を愛おしいという気持ちの現れだと・・しかし、相場師にとってお金は『カネ』でしかない。戦うためのコマでしかないと思うんです。」

「よし、わかった、これで面接を終了する。坂本君だけ残って後は帰っていいよ。ご苦労様でした。」

龍之介は、こんなすごい女子高生がいるのか!とびっくりしていた・・

さて、この相場の本質のような事を面接で言ってのけた少女は坂本龍馬を産んだ高知県からはるばる雑賀正義の会社に入りたくて入社試験を受けに来た株大好き女子高生だった。

次回はこの坂本イユの人生にフォカースして描きたいと思います。

乞うご期待・・

つづく・・はず

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