【小説】ミリオネア清掃員下村龍之介 18


〜 この小説を無事手術を終えたママ子姉に捧ぐ 〜

第十八話 網走

オレの名は下村龍之介。

最近では出番が少ないミリオネア清掃員だ。

雑賀に料亭に来るように言われた坂本イユであるが、

その料亭で女将のキヨに自分の生い立ちを語り始めた・・

坂本イユが産まれたのは高知一の財閥、永岡家の屋敷だった。

父はイユが産まれる前に事故で亡くなり、母もイユが雑賀経済研究所を受験する直前に亡くなったのだった。

母の職業は中岡家の住み込みのお手伝いさんだった。

父も永岡一族系の企業の従業員だった。

そして、葬儀の時に他のお手伝いさんの噂話によると父も母も永岡家の当主である永岡一郎が殺したようなものだということを聞いた。

その理由は容姿端麗で頭の良いイユを自分の死んだ妻の後妻に迎え入れたいがための謀略だという事を知った。

そして、イユが株の世界に足を踏み入れたのは、永岡一族に復讐をするためであった。

カネで蹂躙された自分の両親の仇を更に莫大なカネで復讐するために株で儲けたい。

そんな事を話していたら、

雑賀正義が入ってきた。

「話は隣の部屋で聞かせてもらった、女将もう良いよ。」

「盗み聞をして悪かったな。しかし、若い女の子が株の世界に飛び込むなんてマトモじゃないからな。理由を知りたかったんだ。」

そして、雑賀はイユに次の仕手戦の話をし始めた。

「お前は仕手戦を知っているか?」

「はい、本に書かれている程度です。」

「仕手戦をするについて大切な事はなんだ?」

「まずは、仕手戦をするための銘柄を決める事。」

「うむ。正しい。次は?」

「買い上げていくための資金力」

「うむ。それも正しいな。」

「じゃあ、その資金力は、どうすれば良い?」

「はい。証券担保金融を使います。」

「ふふ・・やはり本の知識だな。」

「・・・」

「担保金融だけでは限界がある。仕手戦になったら何十億、場合によったら何百億という金が必要になる。」

「個人の資金力では限界がありますね。」

「うむ。」

「だから、仕手筋といわれる存在が必要になるんですね。一緒に戦ってくれる資金提供のための人達が・・」

「そうだ、いくら相場が読めても、銘柄を見る眼があっても、一緒に買い上げてくれる『筋』やスポンサーを持っていなければ、相場は張れない・・相場師にはなれない・・」

「坂本、実は仕事としてある男に会ってきてほしい。そして仕手の仲間に加わるよう説得してほしいんだ。その男はカネは持ってる。俺は何度か俺の仕手株に加わってもらおうと思い口説いたが一度も首を縦に振らないんだ。」

「その男とは誰ですか?」

「北海道は網走の漁師を仕切る網元の瓜生剛三だ。」

「瓜生・・剛三・・」

「明日、北海道に飛んで説得してきてくれ。電話はしておく。」

・・という事で急遽、北海道に出張にいく事になった坂本イユ。

瓜生剛三とはいかなる人物か?

次回、網走から始まります。

では、では、

つづく・・はず

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